ここまで、銀行の情報システムの位置付けや三井住友銀行の情報システム業務の概要について説明してきました。
最後の3時限目では、三井住友銀行の情報システム業務について、皆さんが就職活動をする上で質問してみたいのではないかな?と勝手に想像してみたことを、ざっくばらんにQ&A形式で説明していきたいと思います。
入行時から特別なスキルが必要となるわけではありません。
情報システム業務を行うためには「IT技術」と「銀行業務への理解」の両方が必要となりますが、それらは入行して様々な経験を通じて、十分身につけることができます。
あらゆることに関心を持ち、いろいろな知識を積極的に吸収しようという高いモチベーションがあれば、なんら問題はありません。
当行は、研修プログラムも充実しており、入行後の各種スキル育成をサポートしています。
ただし、2時限目でもお話しした通り、当行で情報システム業務を行なっていくとなれば、数多くの関係者と仕事をしていくことになるので、コミュニケーションスキルは必須です。
これは、情報システム業務に限らず、当行全体に言えることですね。
各業務に活用するアプリケーションなどのシステム開発は日本総合研究所が行います。
私たちの主なミッションは、世界情勢、社会情報、銀行経営方針、業務戦略を踏まえ、システム化する業務の要件をしっかりと定義し、提示した要件通りにシステム開発が行われているかどうかを確認することです。
即ち、当行は、システム化を構想・企画し、日本総合研究所がその開発を行います。
当然のことながら、システム化を企画していく上で、 日本総合研究所から提案・提言を受けたり、アドバイスをいただいたりする必要があるので、システム化のプロジェクトは協力して行っていくことになります。
情報システムといった言葉を聞くと、「やはり理系出身者が多いのかな」という印象を持たれるかもしれませんが、決してそのようなことはありません。
文系出身者も多く、それぞれの専門性を活かしてさまざまな部署で活躍しています。
STEP1〜2でお話しした通り、特殊なスキルやプログラミング能力などを求められる仕事ではありませんから、出身学部は問いません。
当行において情報システム業務の活躍するフィールドはとても幅広いので、個人取引業務、法人取引業務をはじめ国際、ディーリング等、多様な業務を経験することが出来ます。
また2時限目でご紹介した通り、海外拠点にも情報システムスタッフが常駐していますので、海外へ出張することもありますし、海外駐在として海外での業務も経験することができます。
また、銀行内外のあらゆる部署のさまざまな人たちと接していくので、ビジネス、商品・サービス、技術動向などの知識を身につけることができると共に、企画スキルやネゴシエーション、プレゼンテーションといったスキルも習得することが可能であり、幅広い視野を養うことができます。
三井住友フィナンシャルグループ(以下SMBCグループ)には、三井住友銀行以外にも三井住友カード、三井住友ファイナンス&リース、セディナなどの企業が存在します。これら各社においても、情報システム業務は経営戦略・業務戦略と密接に関連しており、それらを支え実現していくことは大切なことですが、それは一社でできることではなくSMBCグループ一体となって進めていく必要があります。
またグループ各社の大規模なシステムを支えているノウハウは、非常に価値のある経営資源です。この経営資源をSMBCグループとして増大、活用することで、様々なお客さまの金融ニーズに対応する体制を構築していきます。
なお、SMBCグループの金融システムの企画から開発、運用まで全ての情報システム業務のパートナーとなっているのが 日本総合研究所です。SMBCグループの新しい金融業務やサービスに対応すべく、単なる開発・運用の請負という立場ではなく、企画の段階からSMBCグループ各社と一体となって、常に新しいことに取り組んでいます。
皆さん、まだまだ知りたいことがあるかもしれませんが、ここでの紹介はこれくらいにしておきます。
詳しい話は、是非当行の先輩たちに聞いてみて下さい。
ちなみに、当行の情報システム業務の現場では、私たちのような若い社員が多く活躍しています。
お客さまにとってより良い商品・サービスを提供していくために、また三井住友銀行で働く社員にとって働きやすい環境を構築していくために、システム統括部ではベテラン、若手が分け隔てなく活発な議論を交わし、IT技術の活用を企画・実現しています。
これで「情報システム企画」のゼミを終了します。
皆さん、本当にお疲れさまでした。
三井住友銀行の情報システム企画に少しでも興味を持っていただけたら、うれしいです。
次は、我々と一緒に当行の情報システム企画を担っていきましょう。
システム統括部 上場 亮