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個人向けビジネス
プライベートバンキング
リテール業務ゼミ
3時限目 実践篇

プライベートバンカー養成講座

がんばって受講を続けてくれていますね。いよいよ、最後の講義です。「プライベートバンキング」とプライベートバンカーの、基礎的な勉強を完成させてください。

3時限目の講義では、証券会社やファイナンシャルプランナーとの違いも理解し、プライベートバンカーとしてのキャリア像について、知識を深めてください。

#Step01ファイナンシャル・プランナーとは何が違う

資産運用のアドバイザーであるファイナンシャル・プランナーは、いわば日本型のプライベートバンカーの原型といえます。ここでは、2つの職種の違いと、プライベートバンカーの必須条件について講義します。

1)ファイナンシャル・プランナーとの違い

ファイナンシャル・プランナーとはどんな仕事か、資料2をクリックしてください。

資料-02

ファイナンシャル・プランナーとは

一言で表すと「個人向け総合金融サービスを行う者」

米国では「顧客の収入、資産、負債、家族状況など、顧客に関するあらゆるデータを集め、現状を分析した上で、貯蓄、投資、保険、税務など包括的な生活プランを立案し、それを実行していくための手助けを行う専門家」と定義されている。

ファイナンシャル・プランニングは、もともとは金融商品の販売手法を開発する過程で米国で生まれた手法ですが、このように、2つの職種には、実は大きな共通点があるのですね。違いはむしろ対象顧客層にあります。すなわち資産家・富裕個人層にターゲットを絞りこんだのがプライベートバンキングであり、ファイナンシャル・プランニング自体はより広範な層に対する、日常生活に密着したニーズに対応するものと言えるでしょう。

2)プライベートバンカーの仕事

プライベートバンカーの仕事は、資産家を対象としているだけにより広範囲にわたります。顧客からのあらゆる相談に対応できる体制を整えなければなりません。この意味で、ファイナンシャル・プランナー資格は、プライベートバンカーとなるための必要条件ですが十分条件とは言えません。また、顧客とプライベートバンカーが長期的な信頼関係を築ける体制を作ることも求められます。

次は、当行プライベートバンキング営業部へご案内します。

#Step02三井住友銀行のプライベートバンキング

プライベートバンカーは、どんな商品を顧客に提案するのでしょう?顧客のニーズにオーダーメイドで応える、当行の商品開発について講義します。

1)企業オーナーとは

三井住友銀行の「プライベートバンキング」では対象顧客を富裕層に限定しています。富裕層の多くは企業オーナーです。企業オーナーは様々に立場を変えるため、それに即したソリューションを提供することが求められています。例えば、

1.「経営者」としての立場
2.「株主」としての立場
3.「資産家」としての立場
4.「世帯主」としての立場

例えば1.「経営者」としての立場へのアプローチを考えてみましょう。経営者が考えるのは先ず、自身の企業の事ですね。新規工場取得に伴うファイナンス支援や、M&A、海外進出支援などが思い浮かびますね。
一方、4.「世帯主」の顔はどうでしょうか?自身の相続税の納税資金対策や、確実に資産を承継するために遺言信託の活用などが考えられます。
このように、日本型「プライベートバンキング」は法人・個人の領域に跨っており、加えて、社会貢献を目的とした財団設立に関する情報提供などの非金融サービスも必要であり、多種多様なソリューション提供が求められています。
以下に上述の立場に対する代表的なソリューションを掲載します。

1.「経営者」としての立場・・・貸金、M&A、業務斡旋、事業分割 etc
2.「株主」としての立場・・・事業承継(資本政策 etc)
3.「資産家」としての立場・・・運用、不動産購入資金支援 etc
4.「世帯主」としての立場・・・相続(資産承継、遺言信託 etc)

2)中心ターゲットは「日本をリードする企業のオーナー」

中心となるターゲットはオーダーメイド対応を必要とする企業のオーナーです。
企業オーナーは自分の会社が成長していくいろいろなステージにおいて、さまざまなニーズをお持ちになっています。
創業期には資金繰りの問題を持ち、次の段階にはM&Aや社債発行に関するニーズを持つオーナーもいらっしゃいます。そのうちに株式公開が視野に入ると、公開準備過程で様々な問題に出くわします。そしてパブリック企業として成功した際には、創業者利潤として莫大な株式売却資金を手にされることになります。その他、年齢層の高いオーナーであれば資産や事業の承継に伴い、会社分割といった点にもアドバイスを求められるようになります。当行のプライベートバンキングは、このような企業の各々の成長過程においてタイムリーで、且つ適切なアドバイスにフォーカスしたノウハウを、企業オーナーに提供しています。言葉を換えると、プライベート・インベストメント・バンキングとも言うべきビジネスです。

3)顧客の多様な課題に、トータルに対応

企業オーナーのさまざまな悩み、課題に応えていくためには、銀行・証券・信託など、さまざまな金融機能が不可欠であることがお分かりになったと思います。プライベートバンキング営業部では、上記のような顧客に対し、三井住友フィナンシャルグループ各社等とも連携しさまざまなサービスをコーディネートし、ソリューションを提供しています。

例えば、顧客のご依頼に基づき、三井住友フィナンシャルグループの証券会社や信託銀行と連携し、富裕層の資産管理会社を有効活用した資産承継、事業承継スキームなどを提案します。三井住友銀行のプライベートバンキングの強みは、フィナンシャルグループ各社との連携を通じ、各社の強みを活かした、スピーディかつトータルなソリューションを提供することにあります。
資料3にイメージ図を掲載します。

資料-03

#Step03自分を磨くのがプライベートバンカー

プライベートバンカーをめざすために、最も大切なこと。それは自分を磨き続ける向上心です。堅苦しく考える必要はありません。プライベートバンカーになるための努力は、きっとみなさんの人生そのものを楽しくするでしょう。

1)プライベートバンカーに、顧客がついてくる

2時限目の講義で、プライベートバンカーは特定の顧客を担当すると話しました。ある意味ではひとりひとりのお客さまとの関係を、限りなく深いものにしていきます。もし、プライベートバンカーが銀行を異動すれば、顧客も一緒についていくでしょう。また、顧客からの紹介により、新たな顧客を次々と獲得することも可能です。顧客からプライベートバンカーに授かる信頼は、これまでの日本の概念では測りきれないほど大きいのです。こうした本格的バンカーが、日本に誕生する日は意外と近いかも知れません。

2)終わることのない自己研鑽

顧客から最大限の信任を獲得するためには、トータル的な知識・スキルに加え、一人の人間としての評価が最も大切です。当行のプライベートバンカーでも、バンカーである前に、人間としての幅を広げるさまざまな活動を行っています。

3)プライベートバンカーをめざしたら、シングルゴルファーになった?

プライベートバンカーに必要な最大の能力は忍耐力だともいわれています。忍耐力もさることながら、集中力と自らのマインドコントロールを可能とすべくゴルフコースに出向くなど、人間としての魅力を磨くことも忘れません。顧客に一生つきあっていきたいと思わせる人間的魅力を身につける。まず、ここからはじめることが、プライベートバンカーへの近道かもしれません。顧客のプライベートコースで、二人肩を並べてフェアウェイを歩くバンカーなんて、ちょっと素敵じゃないですか。

これで、「プライベートバンキング」の講義はすべて終了です。

最後に、私からの終了メッセージをお送りします。

終了

「プライベートバンキング」ゼミの終了、おめでとう。本当にお疲れ様でした。

最後まで受講していただき、ありがとう。
よくがんばりましたね。

当行が戦略業務と位置づける、「プライベートバンキング」の大切さがわかっていただけたでしょうか。

銀行業務が専門化、高度化していくいま、銀行員にはより高度な業務知識が求められています。

もちろん、知識・スキルの面での鍛練は重要です。
しかし、長年個人業務に携わってきて感じるのは、個人向け金融サービスの原点は「人」だということ。

常にお客さまの立場で考え、お客さまの気持をくみとることが、個人向けサービスにとって何より重要だということです。
そして、それは、個人向けサービスの最高峰に位置する「プライベートバンキング」で、最も強く求められます。

このゼミを通して私がいちばん伝えたかったのは、そんな「人」のことだったのかもしれません。

私の講義をきっかけに、みなさんが常に顧客の気持に立てるバンカーをめざしてくれたら、こんなにうれしいことはありません。
また、他のゼミでも、みなさんが金融界で活躍するための幅広い知識を講義しています。ぜひ活用してください。

プライベートバンキング営業部 細野 義幸