STEP1
まず、「デリバティブ」をイメージしよう

難解と思われがちな「デリバティブ」。まず、その心の壁を取り払いましょう。身近な存在に置き換えてみると、「デリバティブ」は意外とイメージしやすいものです。

1.「デリバティブ」って、何だろう?

「デリバティブ」について、みなさんはどんなイメージを持っていますか?「何だかとても難しいもの」「大きな損失事件では必ず登場する」「世界に数十人しか本当に理解している人はいないらしい」…などなど、かなり難解な印象が返ってきそうです。でも、「デリバティブ」とは、考えようによってはとても身近なもの。たとえば、20年の住宅ローンがどうしてあのような低金利で固定化できるのかなど、私た ちの生活に「デリバティブ」の考え方は密着しているのです。

それでは、試しに、「デリバティブ=Derivative」を辞書でひいてみましょう。「派生的な」「派生物」とあります。すなわち、もととなる何か(「原資産」といいます)から派生して作り出され、原資産の価格にその価値が依存するような金融商品を「デリバティブ」と呼びます。でも、これでは何のことだかわかりませんね。

2.「デリバティブ=コーヒーチケット」と考えよう。

もう少しわかりやすく「デリバティブ」をイメージするために、たとえば1枚100円のコーヒーチケットを考えてみましょう。資料1をクリックしてください。

資料1

デリバティブ=コーヒーチケット?

ここでは、コーヒーの値段が毎日変わるものと仮定します。今日コーヒーチケットを100円で買えば、明日コーヒーが120円になっても、100円のコーヒーチケットと120円のコーヒーを交換することができます。すなわち、コーヒー(=原資産)の値段がどう変わっても、いつでも一杯のコーヒーと交換できるチケット(=派生商品)、それが「デリバティブ」商品です。

言い換えれば、将来コーヒーがいくらになっても今日の100円で確定させる商品の取引。この考え方が、「デリバティブ」の基本中の基本です。ところで、このコーヒーチケットは、今いくらで売買すべきでしょう?コーヒーの値段が上がり続けるなら、いつも100円では済みませんね。

3.コーヒーチケットを、いくらで売買するか?

ここで、資料2をクリックしてください。

世の中の多様なニーズに対応したルールを作り、誰もが納得する合理的な値付け(プライシング)を行う技術、それが「デリバティブ技術」です。そして、みんなが同じルールの中で参加し、そうしてでき上がった派生的商品の売買をしあうのが「デリバティブ取引」。何となくイメージがつかめますか?

資料2

コーヒーチケットの価格

「コーヒーの値段」=「コーヒーチケットの価値」と考えられます。コーヒーの値段が上がればコーヒーチケットの価値も上昇します。コーヒーチケットの売買にいろんな条件を付ければ、この損益関係も変化します。チケットの今の値段(価値)は、こうした条件を考慮して独自に値付け(プライシング)されます。

それでは、実際の「デリバティブ商品」で、つかんだイメージを掘り下げましょう。

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